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2018-06-18

「食文化を通じて産地直行させる観光誘致」Junさん 前編

インタビュー第12回。

日本が世界に誇れる食べ物、製品、そして文化。

オーストラリア、ニュージーランドで流通、浸透させるため、日本の自治体や企業のお手伝いをする会社、トライバーを2004年に立ち上げたJunさん。

食に始まり、衣料、工芸品等、様々な商品を仕掛けるプロモーター。

様々なイベントを手掛けていらっしゃいますが、2017年シドニー オペラハウスでの料理の鉄人が一堂に会したイベントは、皆さんの記憶にも新しいと思います。

一見華やかに見えるイベントの影の立役者、Junさんの熱い思いを伺いました。

自分のモチベーションと、信じてる未来に突き進むことだけが自分の資源だった

Tomo(以下T) :  メルボルンに来たきっかけは?

Jun(以下J) :  妻が、結婚するタイミングでモナッシュ大学を卒業して、そのままこちらで教師として就職しまして。僕はその時アジア、東京で仕事をしていました。

若い時はバックパッカーやったりして海外に行くのも好きだったんです。本当はアジアに住みたいくらい大好きなんで、オーストラリアは想定外だったんですけど、妻が住むなら行ってみようかな~って。そんな勢いで来ました。

9.11の直後だったんで、まぁ~仕事が無いわ無いわ。やりたかった旅行業なんてなおさらでした。

今みたいに情報が無いから、電話帳で日系の会社全部調べて、無理やり面接に行きました。

どこも面接すらしてくれなかったんですけど、唯一近畿日本ツーリストさんが、「やる気があるなら面接だけはしてあげるわよ。」って言ってくださって。そうしたら、その日のうちに採用してくださいました。

そこから2年くらいガイドをやりました。

英語を喋れたわけでもなく、資格があったわけでもなく、専門的な技術があったわけでもない。自分のモチベーションと、信じてる未来に突き進むことだけが自分の資源だったので、最初にそういう仕事につけたのはラッキーでしたね。

起業までの経緯

秋田県物産展でのKIRINのブース

J: もともと独立志向だったので、自分の会社を立ち上げる準備をしながらガイドをしてました。

で、まずメディアから入りまして。

「響」マガジンという年4回発行の観光ガイドブックを出しました。

その後、時代は紙媒体ではなくウェブの時代になってるので、10年くらい前に、メルボルンの情報サイト「GO豪メルボルン」を立ち上げたんです。

そこから色々な仕事が入ってくるようになったんですが、お客さんから広告をもらって、ウェブに載せて、それで仕事が終わりっていうのが、僕はすごく退屈に感じちゃったんです。

例えば、キリンビールさんから広告を頂いて、ただ掲載するのではなく、キリンビールさんを背負って新規開拓とかマーケティングとかしたい、とキリンビールさんに言ったんです。

キリンビールさんも懐が深いですよね、どこの誰かもわからない広告屋に、営業してもいいと言って下さったんですよ。

営業を始めると、飲食店に出入りするようになりますよね。オーストラリアって日本の食材、酒にこんなに興味を持ってもらえるんだ!っていう驚きがありました。

そこからシェフとのネットワークができたり、日本の食材の事情とか自分で勉強しました。

そのうち、高知県の柚子を広めたいから手伝ってくれないか、という依頼が高知県からありまして。

そんなようなことを4,5年やっていると、記事を書いたりするよりもプロモーションとかイベントの仕事のボリュームの方が大きくなったんです。

で、2年前に、もともと「GO豪メルボルン」のエンジニアの方にサイトを譲渡しまして、僕は日本の柑橘類、食材、酒をオーストラリア、ニュージーランドで広めるためのプロモーション、商談会、イベントなどを行なう仕事を中心にさせて頂いてます。

日本とオーストラリア、双方への貢献を考える。

岡山県倉敷市 酒テイスティングイベント

J: 柚子や柑橘類を作っている生産者さん、200年以上お酒を造っている酒蔵さん、そういう人たちの熱意とか気持ちの熱量を落とさずにこっちでプロモーションしてあげないといけない。

だから、必ず現地に行きます。生産者さん、農家さん、作家さんと会ってお話しないと情熱が乗り移らないので。インターネットだけで調べて物売れないですよ、僕は。

県の事業だからとか、予算があるからとか、日本酒が受けてるからとか、そういう入り口から入ってしまうと絶対に売れないんです。

また、日本の良い物を持って来れば売れるという訳ではなく、オーストラリアの社会、食文化の中でその商品がいかに貢献できるかを考えていかないと、長続きしないんですよね。

高知県の柚子

高知柚子プロモーション

J: 移民政策で、ここ10年でメルボルンに今140以上の民族がいますよね。

その人たちの食文化が隆盛になって、もともとイギリスからの移民でアングロサクソンの人たちが、食べることに興味を持ち始めたのがここ10年。

そこで、味覚とか考え方が発達して行って、生魚に「げ~~!」って言ってた人達が、今や僕らよりも頻繁にすしロールを食べる時代になった。

その中で日本の柑橘を仕掛けたときに、最初の1,2年は苦労したんですが、今ではどこでも柚子って聞くじゃないですか?

そういう意味では、一番の成功例ですね。

T: オーストラリアで柚子が受け入れられるために、どのような工夫をしました?

J: オーストラリア人のシェフやカクテルを作る人と一緒に使い方を相談しながらやっていきました。

柚子はすごく個性があるので、料理には1,2滴で十分。そうなると、柚子のフレーバーは出るんですけど、日本からの物流は流れない。

でも、カクテルとかジュースとか飲み物にすると、どんどん量が出る。

フレンチの鉄人、坂井宏行シェフも高知県柚子プロモーションに協力

宣伝的には有名なシェフに柚子を使ってもらう。けれども、実際量が出るのはカクテルとかジュースなんです。

ブランディングと実際の物流は違うという事は、試行錯誤しながらわかってきました。

岡山県の備前焼

J: 備前焼も苦労しました。

まず、こっちの食洗器に入らないんですよ。形が一個一個違うんで。

あと、ガリガリでデコボコなのでナイフとフォークが通らない。西洋の料理には向かない。

備前焼は、釉を塗っていない素焼きの器なので、コーヒーとかビールの泡立ちが綺麗に残るんです。

だからカフェでの使い方とか考えながらやらせてもらったり、芸術品としてNGV(National Gallery of Victoria)さんで展示会をさせてもらったり。

いろいろやっているうちにわかることってありますね。

2年以内にもう一度、国立博物館で備前焼展をやる、という目標を定めています。

トライバーの使命

秋田県物産展

J: 「産地直送」っていう言葉がありますよね? それを超える物は、「産地直行」だと僕は思ってるんですよ。

愛媛の物は愛媛で食べるのが一番美味しい。沖縄の食事は、沖縄に行って食べるのが一番美味しい。

だから、オーストラリア人とか、その他の国の人に、こちらで紹介する食文化を通じて、今度は本場に行ってもらう。

それが食文化の普及にもなるし、観光誘致にもつながる。

でも、ほとんどの県や外郭団体の方は、物産と観光を別に予算を取ってらっしゃるんで、この二つが繋がってないんです。

同じ県からいらっしゃってても、それぞれ観光と物産で違う所でイベントをやっていて、しかもその事をお互い知らない、というケースもあるんです。

なぜこれをバラバラにするのか?! すごく疑問で、すごくもったいないと思うんですよ。

観光に行くっていうのは、必ず食が付いてくる。僕は、食文化を通じての観光誘致って絶対に成功すると思ってるんです。

「おいしい」という思いは、国境、言葉を超える力がある。その思いだけで笑顔になれるし、握手ができる。

「食文化を通じて産地直行させる観光誘致」という所にすごく魅力を感じていますし、弊社の使命だと思っています。

おわりに

いかがでしたか?

日本の良い物がただ単にこちらで売れれば良いという訳ではなく、現地に行ってもらうという「産地直行」の観光誘致まで考えていらっしゃるとは。感動しました。

イベント情報、またはお問い合わせはトライバーさんのホームページをご覧ください。
トライバー (Tryber Pty Ltd)

tryber.com.au

さて、インタビュー後編はJunさんの人生観、夢など内面についてのお話しになります。

こちらも是非お見逃しなく!

「食文化を通じて産地直行させる観光誘致」Junさん 後編

 

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