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2017-11-04

「メルボルンカフェ料理は、驚き、感動、そして満足。培った技術と知識を使って、メルボルンを伝えたい。」Sakiさん 前編

インタビュー第11回。

メルボルンスタイルのカフェ、食堂黒猫のオーナーシェフ、Sakiさんです。

メルボルンでシェフとして数々のレストラン、カフェでキャリアを積み、メルボルンスタイルのカフェフードとコーヒーを日本に広めるべく、沖縄に移住。パートナーでもある、ロースターのクリスさんと、日々クオリティの高いコーヒーとフードを提供なさっています。

ず~っとお会いしてみたかったSakiさん、ず~っと行ってみたかった食堂黒猫。

思いは距離を超えて、ついに沖縄まで会いに行ってしまいました。

インタビュー前半は、7年半のメルボルンでのお話しです。

メルボルンfoodieなら誰でも知ってる有名レストランやカフェの名前が続々と登場しますよ。

では、Sakiさんのインタビュー前半、お楽しみください!

メルボルンに来たきっかけ

Tomo(以下T): メルボルンに来たきっかけは?

Saki(以下S): 2003年から2004年、ワーキングホリデーでメルボルンに来たことがあって、帰国してから永住するために戻ろうって決意したんです。で、何をして永住するかって考えました。

その時は、日本語教師、美容師で永住権が取れる時代だったんです。でも、その二つは、やったとしても自分には続かないだろうなって思って。もっと自分に合ったもので永住権が取りたくて。

私、アートが好きだったんですね。料理は表現するという点ではアートと共通するかも、と思ったんです。で、考えた結果が調理士でした。

その準備をしている間に、地元(大阪)でクリスさん(現在のパートナー)と偶然出会ったんです。彼はメルボルン出身ですが、彼と会う前からメルボルンに行くことは決めていました。

T: すごい縁ですね~。

週7日、料理漬けの日々


S: それからメルボルンに行って、まず語学学校に行って、その後William Angliss(専門学校)に調理士になるために行きました。

そこで勉強しながらレストランで働いていました。William Anglissは自分と同じバックグラウンドのレストランで働くことを許してくれないんです。ウェスタンのレストラン重視。

私、メルボルンに7年半いたんですけど、その間13件のレストランで働いたんです。最初の1年~2年くらいは、いくつかレストランを掛け持ちしていて、カフェで皿洗いやりながらシェフの補佐をして、同時に、フェデレーションスクエアにあったTjanabiという、すごく大きなファインダイニングレストランでただ働きをしました。週7日ずーっと働いてるって感じでしたね。

T: 同時に学校も行ってたわけですよね?

S: そう。だから、2年くらいは料理の勉強と料理しかしないっていう日々でしたね。

Tjanabiのヘッドシェフだった方が、新しいカフェを立ち上げるときに私を連れて行ってくださって、ケータリングと普通のシェフの仕事もそこでやっていました。

1年くらいして、ヘッドシェフが新しいレストランをやろうと思うっていうのを聞いて、ついて行きたかったんですけど、やめたんです。彼について行ったら、彼の表現しか知らないまま終わってしまうから。

料理の方向性を見失う

S: その後、2ハット(Good Food Guideの評価)をとったセントキルダのフュージョンのレストランで働きました。

その間もJacque Reymondのフレンチレストランにアプライして、トライアルまで行ったんですが、ポジションは得られなくて。でも、3ハットを取ったレストラン、特にJacqueの所でど~しても働きたかった。

というのも、最初にただ働きしてたレストランのシェフが、技術を全部教えてくれたんです。彼はJacqueの下で働いていたシェフで、そんな尊敬する人が働いていたレストランで、自分もいつか働きたいと思っていました。

ただでいいから働かせてくださいって半年くらい言い続けてたんですけど、タイミングや条件が合わなかったりで、結局だめでした。

3年間、ず~っとJacqueを目指してたので、そこで一旦、自分の料理の方向性が分からなくなってしまったんです。

それからいろんな所にアプライして、あかとんぼ、Pan Asianを経て、Duck Duck Goose。
Duck Duck Gooseでは、コールド、焼き、肉、ペーストリー、全部のセクションを回らせてもらいました。

そこまでは、いろんな環境で、いろんなレシピ、いろんな機材を使いたい、という思いで料理を続けてきました。少しでも自分のスキルと知識を養うために、4年半レストランで、基本的に夜働いてたんです。だいたい朝家を出て、深夜12時を過ぎて家に帰るっていう生活でした。でも、料理しかしてないから、生きている感覚が無くて。だから、キャリアチェンジがしたくなったんです。

Three Bags Fullの最高のチームで切磋琢磨


S: ずっとカフェで働きたいと思っていたんですが、カフェからキャリアをスタートしたくはなかったんですね。いろんなスキルを持った上で、シンプルな料理の中にどれだけスキルと知識を落とし込めるかっていうのが、メルボルンのカフェフードだと思っていたので。

で、いろんなカフェにアプライしました。
経験が4年半付くと、アプライしても断られるどころか、来て欲しいっていわれることが多くなったんですね。

St Ali、Three Bags Full、Docklandのカフェでトライアルをさせてもらって、その3件からオファーをもらいました。

今まで行ったトライアルでThree Bags Fullが一番厳しかった。
カフェの定番メニューを作ったり、キッチンで他のスタッフと働いてみたりっていうのは他のカフェでもあるんですが、「このビーフチークでスペシャルを作って。」って言われたんですよ。
スペシャルを作れって言われたのは初めてでした。
自分のスキルはいきなり上げられないけど、今まで培ったものを思いっきり表現して帰ろう、と思ったんです。
で、フラットブレットと、いろんなスパイスを自分でブレンドして、モロッカンのビーフチークのスープを作りました。

そういう事を経てThree Bags Fullからオファーをいただいたのは、すごく嬉しかった。
これはいろんな事が学べるかもしれないと思って、Three Bags Fullで働きはじめました。

今メルボルンで第一線で活躍されている方々がその時チームのメンバーだったんです。だから、お互いに切磋琢磨して、競い合うんじゃなくて、高めあえる仲間でした。そこで多くの事を学びました。
一日に出る料理の数がすさまじくて…。5人のシェフで、一日700食、土日で1400食超えを仕込みながらこなす、という毎日でした。


お陰で、どんな状況にもパニックにならずに、コンスタントにいい料理を出すということを学びました。

最後の半年は、スペシャルを週に2~3回作らせていただきました。
ものすごく忙しい中、ちゃんとスペシャルの創作もし、仕込みもするということをThree Bags Fullでやらせてもらっていたから、後の仕事につながったんだと思います。

Oraで自分の料理を確立


S: Three Bags Fullは人数がいるから恵まれてるんです。洗い物もしてくれるし、食材は言えば何でも使わせてもらえるし。そういう中だと、クリエイティビティは上がるけど、限られた中で考えてやるっていう事が出来なくなる気がして。
もっと成長したいから、もっと小さい所に行きたいって言ってたら、ヘッドロースターのErikaが、Collective Espressoを紹介してくれたんです。

トライアルをさせてもらって、もう明日から来てって言われ、そこで働きはじめました。

みんな一生懸命だったんですけど、なんか上手く回って無くて…。

そんなときに、Oraにたまたま行ったら、駆け出しの頃にただ働きしていたレストランで、ヘッドシェフの下で働いていたイギリス人女性シェフがそこで働いていたんですよ! 会うのは5年ぶりくらい。
彼女に「なんでうち来ないの⁉」って言われて。Collective Espressoが休みの時にOraで働いてました。

そうしたら、Oraのオーナーが「うちに来ない?」って言ってくださって。

その時にオーナーにお願いした条件は、創作を中心にやらせて欲しい、っていう事と、週4勤務。

週4っていうのは、パフォーマンス、クリエーションの質が落ちるから週4日しか働いちゃダメってThree Bags Fullでは言われてたんです。


Oraでも最初週4でやってたんですが、それだと回っていかなくて。

っていうのも、Oraは創作の量が多すぎてシェフが続かないんです。一人で週に最低4品は創作を作らなきゃいけないんですよ。でも人数は基本的に二人しかいないから、メインで回しながら、仕込みをしている人が後ろでいて、忙しくなると仕込みから補佐に入って、そこから何時間もピークを乗り越えるんです。そうすると、創作をする時間がものすごく限られてる。だから創作ができなくて辞めていく人が何人もいました。

だけど、イギリス人女性シェフと私は馬が合っていて。

彼女の創作の日なのに、いきなり当日、「ごめん、私、今日できない!ごめんだけどSaki作って!」って言われたりすることもありましたね。

何も準備してないのに、いきなり作らなきゃいけないっていう事はずっと今までやってきたことだったし、Oraでは全部を生かして自分の料理を確立したいって思ってやってました。

レビュアー(Good Cafe Guideの審査員)が何回も来てたので、もしかしたら賞をとれるかもしれないって言われていたんです。
でも、Oraは小さいからもっと大きな所に行きなさいってレビュアーに言われて。何でかって言うと、大きな所じゃないと賞はとれない、みたいな事を言われました。

それで私たちに拍車がかかったんです。小さなお店でも大きな所に勝てる!って。

その翌年にBest Cafe Food賞をとることができたんですが、創作を認められたっていう思いがすごくありますね。

その時、もう沖縄にいたんですが、ここ、沖縄でメルボルンを謳う私たちにとって、「よし、いける!」って思ったんですが、そう甘くはありませんでしたね。(笑)

おわりに

いかがでしたか?

Sakiさんはとても小さい方なのに、どこにそんなパワーがあるんだろう?というくらいエネルギッシュな方。

厳しいシェフの世界で、常に上を見つめ続ける彼女の精神性とクリエイティビティは、本当に尊敬してしまいます。

インタビュー後編は、沖縄でカフェを始めたお話しで、さらに内容も、Sakiさんのテンションも熱くなりますよ!

「メルボルンカフェ料理は、驚き、感動、そして満足。培った技術と知識を使って、メルボルンを伝えたい。」Sakiさん 後編

Sakiさんとクリスさんのお店、食堂黒猫。

ここでは間違いなくメルボルンカフェが体験できます。

私は、日本に何週間かいると、必ずメルボルンカフェが恋しくなるんですが、そんなホームシックをSakiさんの料理とクリスさんのコーヒーは解消してくれました。😊

 

食堂黒猫

instagram: https://www.instagram.com/okinawa_black_cat_cafe/

facebook: 食堂黒猫 Black Cat Cafe

blog: http://kuronekookinawa.hatenablog.com
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