toggle
2017-09-24

「着物の持つ広がりに興味は尽きない」Salaさん 後編

「着物の持つ広がりに興味は尽きない」Salaさん 前編

に引き続き、後編もお楽しみください。

着物でも自分なりのオシャレを楽もう!


T: 着物のスタイリングや着付けのお仕事のその先に見据えてる、目指しているものって何かある?

S: 着付け教室に行かなきゃ着物が着られないと思っている人が多い気がする。私の考えだと、着物はみんな着られる。あと必要なのはスタイリング力。着付けができるのは、洋服で言ったら、ボタンが留められるレベル。ボタンが留められるからって、オシャレかっていうとそうじゃない。自分でいろいろ着てみて、自分の好きな物をわかって、そこで自分なりのオシャレが出てくる。

着物に関して、みんなボタンを留められる段階を目指しているような感じ。私からしてみたら、そこはどうでもよくて、あとはオシャレの努力の問題。そういう事をもっと発信して、もっとみんなが気づいてくれたら、もっと着物が面白くなるんじゃないかなって思う。

着物って、ギフトラッピングに似てるんだよね。自分をプレゼントとしてどう包むか。リボンは帯。どうあなたをフィニッシュで飾るかよ~。(笑)
だから帯だって、絶対にお太鼓結びにしなきゃいけないっていうんじゃなくて、あなたらしい結び方で結んだらいい。

T: うまいこと言うね~! 確かに着物ってギフトラッピングっぽいよね。

S: そうでしょ。だから包めないんじゃない。包めるけど、綺麗に包めないだけ。
お歳暮だったら包み方にもルールがあって、バシッと包まなきゃいけない。だけど、友達にあげるお菓子だったら、かえってナチュラルに柔らかく包んであげた方が、気取ってなくて美しい時もある。

そこのところをみんな、ちょっとあげる物にもガチガチのギフトラッピングを習わないといけないと思ってるから。
そこは、のしじゃなくて麻布にしたらもっとナチュラル感がでるんじゃない~?とか思うんだよね。

文化の違いからくる、着付けビジネスの大変さ


T: このお仕事で大変な事は?

S: 一人でやってるから、例えば結婚式の予約が入ってる日に病気になったりしたら、全てが台無しになってしまうので、そのプレッシャーはある。替えが効かないというのは強みでもあるんだけどね。

文化の違いで、着付けにお金を払うという概念が西洋人にはないから、人に着せてもらうのに何でこんなにお金払わなきゃいけないの !? って言われたりするんだよね。自分で着られるから、って言われても、いやいや自分で着られないし、って説明するのがまた一苦労。

こびりついた固定概念をどれだけとるか


T: スタイリングって自分のクリエイティビティとアイデアが必要。
だから、自分の引き出しをいっぱい作っておかなきゃいけないわけよね。そのために普段から心がけていることってある?

S: マーケットに週一回出てて、あのメリットは結構大きい。

西洋人には、日本人が持っている「着物ってこう着る」っていう概念が無いから、彼らが「こう着たら面白いよね~。」って遊んでるのを見てアイデアをもらったりしてる。

T: やっぱり日本人には、ど~してもこびりついた固定概念がぬぐえないもんね。

S: その固定概念をどれだけとるかだよね。

着付けは頑張ればみんなどんどん敷かれたレールの上を走ることはできる。でも、レールから外れるのは3倍大変。(笑)
私も最初の頃、着付けが上手くなってくると、着物を着てる人を見るときに方眼紙で見ちゃうの。衿何センチ、おはしょり何センチ、あ~帯のココずれてるね、とか。その方眼紙を目から外すのが3倍大変。
だから、レールを進めば進むほど方眼紙が濃くなっていく。濃くなればなるほど、それを取るのはもっと大変になると思う。

でも、西洋人はその方眼紙が目の中に全くないから、自由に動くんだよね。その度に私の眼の中の方眼紙が薄らいでいく。(笑)

海外にいるからこそ見える自国の美しさ


T: 着物って伝統的な衣服で、形も決まってて、堅苦しいイメージがあるけど、実はすごく広がりがあるよね。

S: そうそう。自分の結び方ひとつで広がる世界があるよね。

T: いや~、つくづく思うけど、日本の文化ってすごいなって思う。

S: ね。現代の着物という形が完成されたのが江戸時代なんだけど、全て無駄が無いエコロジカルな時代だったんだよね。だから、着物も一反の布から作って、それをまたほどいて一反にして洗って、また違うものに作り変える。男物の着物を娘用に作り替えたりとか、羽織にしたり、お布団にしたり、雑巾にしたり。その布が使えなくなるまで、どんどん形を変えて生まれ変わっていく。

T: 江戸時代ってすごいね!

S: 江戸時代はクールだよ!
鎖国があったために、ガラパゴス的に独自の文化の発展があった。ファッションも、贅のつくし方がすごい。江戸小紋なんて、あんなの細かくて大変な作業だけど、遠くから見たら無地でしょ。あの粋さ!

T: そうそう! 裏地も、誰も見ないのにものすごく凝ってたりね。

S: 文化が浅い国だってたくさんあるし、そういう深い文化を持っていて、継承できる私たち日本人ってラッキーだなって思う。

T: それに気付けることって素晴らしいよね。

S: 海外にいると、自分の国の美しさって逆に見えたりするよね。

T: たぶん私も日本にいたままだったら、日本の素晴らしい所とか全然見えてなかったと思う。

身近な着物をはおり、ストーリーを体感する


T: Salaさんにインスパイアされて、着たことないけど、着物が着てみたい!っていう人にアドバイスは?

S: まず家のタンスを開けてみる。もしかしたらおばあちゃんの着物が眠ってるかもしれない。着物って情が入ってるから、ちょっとスペシャルな物だったりするんだけど。思い出と一緒に着物があったとしたら、それをちょっとはおってあげるだけで、その先祖がすごくよろこんでる。そこにまたハッピーなストーリーが生まれる。

で、ちょっと嬉しくなったら、YOUTUBEを見て、ちょっと半幅帯をしめてみる。お太鼓結びなんてしなくていいから。何とも言えないストーリーをまず体感してみる。
楽しかったら、着付け教室に通うなり、友達や親で着付けできる人がいるなら教えてもらうとか、そこから自分のスタイルを探していけばいいと思う。そうしたら面白くなるんじゃないかな。

今後の展望

T: 今後チャレンジしてみたい事ってある?

S: 身近にあるもので作れる、着付け小物のチュートリアル本を出したいかな。どっちかっていうと英語メインで。海外にいる人で、着物を着るには、着物と帯だけじゃなくて、着付け小物が必要だって気づいた人のために。
家にある物や手に入りやすいもので作れますよって。

T: それいいね!

おわりに

Salaさんのインタビュー、いかがでしたか?

Salaさんとお話しをしながら、改めて着物という物は日本人の精神性を深く反映している衣服であることを再確認しました。

Salaさんのお話しを聞いて、皆さん着物を着たくなったのではないでしょうか?
まずはお家のタンスを開けてみましょう。きっとお母さんの若かりし頃の着物、またはおばあちゃんの着物が眠っているかもしれません。まずははおってみる。そして、その着物が持っているストーリーを感じてみましょう。

Salaさんにコンタクトをとりたい方はこちらから。

Kimono Stylist Sala Okabe

salaokabe.com

instagram: Kimono Stylist Salaokabe

facebook: Kimono Stylist Sala Okabe
にほんブログ村 海外生活ブログ メルボルン情報へ
にほんブログ村

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です